RWAとステーブルコインの普及が進むとイーサリアムTVLはどこまで伸びるのか

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RWAとステーブルコインの普及が進むとイーサリアムTVLはどこまで伸びるのか。実需のある資産がオンチェーン化し、決済に強いステーブルコインが当たり前になるほど、DeFiの預かり資産は増えやすくなります。この記事では伸びる条件とリスク、現実的な上限感を整理します。

目次

RWAとステーブルコイン普及がイーサリアムTVLに与える影響

RWAとステーブルコインは、イーサリアムTVL(預かり資産)を押し上げる「入口」と「滞留先」を同時に増やします。RWAは米国債や不動産、売掛債権など、暗号資産の外側にある価値をオンチェーンへ持ち込む仕組みです。これにより、相場が荒れている局面でも「価格が比較的安定した利回り源泉」がDeFiに流れ込みやすくなります。

一方のステーブルコインは、DeFiでの担保・決済・清算の基軸です。USDCやUSDTだけでなく、利回り付きトークン化国債(T-bill系)や、ステーブルコインの多様化が進むほど、DEXやレンディング、デリバティブに資金が滞留しやすくなります。結果として、イーサリアムTVLの「底」が上がり、急落しても戻りが早い構造になり得ます。

私自身、DeFiを触っていて感じるのは、ボラティリティが高い銘柄よりも、まずは安定価値の資産が増えるほど参加者が増えるという点です。RWAとステーブルコインの普及は、DeFiを投機だけでなく金融インフラへ寄せていく力があります。

イーサリアムTVLの基本とL2拡大による見かけの変化

イーサリアムTVL(Total Value Locked)は、主にDeFiプロトコルに預け入れられた資産価値の合計です。レンディング、DEXの流動性、ステーキング、デリバティブ証拠金などが含まれます。ただし最近は、L2(Arbitrum、Optimism、Baseなど)へ資金が移ることで、L1単体のTVLだけを見ると「伸びが鈍い」ように見えることがあります。

ここが重要で、RWAとステーブルコインの普及が進むと、資金は必ずしもL1にだけ積み上がりません。むしろユーザー体験や手数料の観点からL2に滞留し、ブリッジやメッセージングを介してイーサリアム経済圏全体のTVLが増える形になりやすいです。したがって「イーサリアムTVLはどこまで伸びるのか」を考えるなら、L1とL2を合算した広義のTVLや、ステーブルコイン残高・RWA残高の推移も同時に見る必要があります。

また、TVLは価格変動の影響も受けます。ETH価格が上がればTVLは増えやすく、下がれば減りやすい。RWAとステーブルコインが増えるほど、価格変動の影響を受けにくい比率が上がり、TVLの変動がマイルドになる可能性があります。

RWAトークン化がTVLを押し上げるメカニズムと利回りの源泉

RWAがイーサリアムTVLに効く最大の理由は、オンチェーンの利回りが「暗号資産内部の循環」だけに依存しなくなる点です。たとえば米国債利回りは、暗号資産市場が弱い局面でも一定の水準を保ちやすい。これがトークン化され、レンディングの担保や流動性の土台になると、DeFi全体の資金吸収力が上がります。

RWAがDeFiに流入する主な経路

RWAとステーブルコインの普及が進むと、次のような経路でイーサリアムTVLが積み上がります。

  • トークン化国債やMMFが「担保」として使われる
  • RWAを裏付けにしたステーブルコイン発行が増える
  • RWA利回りが「再投資」され、DEXやレンディングに滞留する
  • 機関投資家がオンチェーン運用を採用し、資金の滞在期間が伸びる
  • 監査・カストディ整備で、規模の大きい資金が入りやすくなる

RWAは「利回りの源泉」が明確であるほど強いです。逆に、実体の裏付けが曖昧なものは信用を得にくく、長期のTVLにはつながりにくい。ここは今後、規制対応や開示の標準化が進むほど改善していく領域です。

ステーブルコイン拡大がもたらすDeFi需要の増加と手数料構造

ステーブルコインは、DeFiの血液のような存在です。取引、担保、清算、利回り運用、どれも安定価値があるからこそ成立します。RWAとステーブルコインの普及が進むほど、イーサリアムTVLは「取引が増える→流動性が必要→預け入れが増える」という循環で伸びやすくなります。

特にDEXでは、ステーブルコインペアが最も使われやすい。価格変動の大きい銘柄同士より、ステーブルコインを軸にした取引の方が心理的障壁が低いからです。レンディングでも同様で、借り手はステーブルコインを求め、貸し手は利回りを求めます。ここにRWA利回りが組み合わさると、オンチェーンの金利曲線が現実の金利に近づき、資金が集まりやすくなります。

ただし、ステーブルコインが増えるほど競争も激しくなります。発行体リスク、準備資産の透明性、凍結権限の有無など、利用者は比較するようになります。私の感覚でも、同じ1ドルでも「どのステーブルか」を気にする人が確実に増えました。結果として、信頼される銘柄に資金が集中し、TVLの偏りが強まる可能性もあります。

競合チェーンとの比較で見るイーサリアムTVLの上限感 ソラナやポリゴンとの違い

検索上位の論点としてよく出るのが「ソラナ」「ポリゴン」との比較です。結論から言うと、RWAとステーブルコインの普及というテーマでは、イーサリアムは規模の経済が働きやすい一方、手数料とUXでL2依存が強まります。ソラナは高速・低コストでステーブル決済や取引体験が強い。ポリゴンは企業連携や既存ブランドとの接点を作りやすい。つまり、どこが勝つかではなく、用途で棲み分けが進む可能性が高いです。

イーサリアムTVLの上限を考えるときは、単純に「どれだけ資金が来るか」だけでなく、「どの層がどれだけの期間滞留するか」が重要です。RWAは機関投資家や企業の資金が入りやすい反面、規制や会計処理、KYC要件が絡みます。ここをクリアできるプラットフォームほどTVLが積み上がります。その点、イーサリアムはインフラとしての実績があり、監査・カストディ・開発者エコシステムが厚いのは強みです。

主要チェーン比較表 TVLが伸びる条件の違い

観点 イーサリアム(L1+L2) ソラナ ポリゴン
強み DeFi基盤の厚さ、機関対応の進み、RWA連携の広がり 低手数料、高速、決済・取引UX 企業連携、ブランド導入、L2/サイドチェーンの柔軟性
弱み L1手数料、L2分散で指標が見えにくい 障害リスクへの懸念が残る 流動性分散、競合L2との位置付け
RWA適性 高い(標準化が進むほど優位) 中(UXは強いが機関導線は発展途上) 中〜高(企業導入次第)
ステーブル適性 高い(DeFi用途が広い) 高い(送金・決済が強い) 中〜高(用途次第)

この比較からも、RWAとステーブルコインの普及が進むほど、イーサリアムTVLは「総量」で優位を保ちつつ、実利用の一部は他チェーンに流れる、という現実的な姿が見えてきます。

どこまで伸びる 現実的なシナリオとリスク 規制 ハッキング 金利

RWAとステーブルコインの普及が進むとイーサリアムTVLはどこまで伸びるのか。私は「短期は相場要因に左右されつつ、中期はRWA残高とステーブルコイン供給量がTVLの下支えになり、長期は規制適合とUX次第で大きく伸びる」と見ています。

現実的な見立てとしては、TVLは「ステーブルコイン時価総額」「RWAオンチェーン残高」「ETH価格」「DeFiの実質金利(手数料収益)」の掛け算に近いです。RWAが増え、ステーブルコインが決済・貿易・給与などに入り込むほど、オンチェーンに滞留する資金は増えます。ただし、全てがDeFiにロックされるわけではなく、ウォレット滞留や取引所滞留もあります。TVLはその一部に過ぎません。

リスクも整理が必要です。規制が厳しくなれば発行体の撤退や利用制限が起き、TVLが鈍化します。ハッキングは一発で資金が抜け、心理的な信用も落ちます。金利はRWA利回りの魅力を左右し、米国債利回りが低下するとRWAの相対的魅力が薄れる可能性があります。だからこそ、RWAとステーブルコインの普及が「一直線にTVLを増やす」と決め打ちするのは危険です。

それでも、個人的には悲観しすぎる必要はないと思っています。理由は、オンチェーン化のメリットがコスト削減や決済スピード、監査可能性など実務的だからです。投機が冷えても、業務効率化の文脈で残るユースケースは増えていきます。

まとめ

RWAとステーブルコインの普及が進むほど、イーサリアムTVLは「価格頼み」から「実需と利回り」に支えられる構造へ近づきます。特にトークン化国債などのRWAが担保・利回りの土台になり、ステーブルコインが決済とDeFiの基軸として広がると、TVLの下限が切り上がりやすくなります。

一方で、資金はL2へ分散しやすく、L1単体のTVLだけでは成長が見えにくい点に注意が必要です。規制、ハッキング、金利低下といったリスクもあり、伸び方は段階的になります。

それでも、ソラナやポリゴンなど競合が伸びても、イーサリアムは機関対応やDeFi基盤の厚さからRWAとステーブルコインの受け皿になりやすい立ち位置です。今後は「RWA残高」「ステーブルコイン供給」「L2を含めた広義のTVL」をセットで追うことが、伸びしろを見誤らないコツになります。

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