ビットコイン価格はチャートだけでは読めない――2025年の動きを理解するには、値動きの裏で起きた「資金の流れ」と「保有者の行動」をオンチェーン指標で確かめるのが近道です。
本記事では、現物型上場投資信託の純流入額から実現価格、時価総額と実現総額の比率まで、注目すべき8つのオンチェーン指標を実践目線で整理します。
ビットコイン価格はチャートだけでは読めない理由とオンチェーン指標の価値
ビットコイン価格はチャートだけでは読めない、と感じる瞬間は多いはずです。
たとえば、ニュースで強気材料が出たのに伸びない、逆に悪材料なのに下げ止まる、といった場面です。ローソク足は「結果」を描きますが、「誰がどの層がどれだけ買い、どれだけ利益確定したのか」までは語ってくれません。
そこで効くのがオンチェーン指標です。ブロックチェーン上の移転、保有期間、含み益や含み損、平均取得価格といった情報から、市場参加者の体温が読み取れます。
特に2025年は、現物型の上場投資信託の存在感が増し、需給のねじれが起きやすい年でした。チャートに表れる前に、オンチェーン側で「先に」兆しが出ることがあります。
私自身、短期の売買判断は結局チャートに頼りがちですが、中期の方向感はオンチェーン指標を見てからのほうが迷いが減りました。
価格だけを追うと、上げ下げのたびに感情が揺れます。オンチェーン指標は、揺れを「構造」に置き換えてくれる感覚があります。
オンチェーンを見る前に押さえる前提
オンチェーン指標は万能ではありません。誤解を減らすため、次の前提を押さえておくと読み違いが減ります。
- 取引所内の売買はチェーン上にすべて出ないことがある
- 指標は「遅行」するものと「先行」しやすいものが混在する
- 単体で決め打ちせず、複数の指標を重ねるほど精度が上がる
この前提を踏まえたうえで、2025年の動きを示した8つのオンチェーン指標を見ていきましょう。
2025年の需給を動かした上場投資信託の1日あたりの純流入額
2025年を語るうえで外せないのが、現物型ビットコイン上場投資信託の「1日あたりの純流入額」です。
これは投資家のお金が実際にどれだけ上場投資信託へ入ったのか(または抜けたのか)を示し、需給の圧力を比較的ストレートに表します。
純流入が連続する局面は、価格が押しても戻りやすくなります。逆に、純流出が続くと、上昇トレンドに見えても息切れしやすい。
チャートだけ見ていると「形は強いのに伸びない」理由が分からないのですが、純流入額を重ねると納得できる場面が増えます。
また、純流入額は「市場のノイズをある程度ならす」効果があります。短期売買をする参加者の取引よりも、資金の塊がどう動いたかを見やすいからです。
個人投資家にとっては、難しいテクニカル指標を増やすより、まずここを週次で追うだけでも視界がかなりクリアになります。
上場投資信託の純流入額でチェックしたいポイント
- 連続流入の日数(短期の勢いより、持続性が重要)
- 大きな流出が出た日の価格反応(吸収できるかが地力)
- 価格が横ばいなのに流入が続く局面(遅れて上に動きやすい)
保有期間別の利益損失状態の供給量で投資家層を読む
次に重要なのが、保有期間別の利益・損失状態の供給量です。
ざっくり言うと、短期保有者と長期保有者が、いま含み益なのか含み損なのか、そのコインの量がどれくらいかを見る指標です。
ビットコイン価格はチャートだけでは読めないと言われる理由の一つが、同じ価格帯でも「中身」が違うからです。
たとえば上昇局面でも、短期保有者の含み益が増えすぎると、利益確定が出やすく上値が重くなります。一方で長期保有者が動かず、短期の売りが吸収されると、じわじわ上がる土台になります。
2025年は、投資家層の入れ替わりが局面ごとに見えやすい年でした。
急騰の後に失速する場面では、短期保有者の利益側の供給が膨らみ、反対に調整局面では、含み損側が増えて投げが出やすい。オンチェーンでこの変化を追うと、感情ではなく確率で判断できるようになります。
短期保有者と長期保有者の見方
- 短期保有者の利益側供給が急増:利確が増えて上値が重くなりやすい
- 短期保有者の損失側供給が増加:投げが出やすいが、底打ちの材料にもなる
- 長期保有者の供給が安定:トレンドが崩れにくくなりやすい
短期保有者の平均取得価格と実現価格で割高割安を測る
オンチェーン分析で実用性が高いのが、短期保有者の平均取得価格と実現価格です。
短期保有者の平均取得価格は、その名の通り短期層がだいたいどの水準で買っているかの目安になります。価格がここを割ると、短期層は含み損になり、売りが出やすくなります。
一方の実現価格は、市場参加者が実際に取得したコストの平均に近い概念で、中長期の基準線として扱われることが多いです。
チャートの移動平均線と似た使い方もできますが、実現価格は「オンチェーンの取得コスト」に根ざしているため、相場の熱が冷めた局面で効きやすい印象があります。
ビットコイン価格はチャートだけでは読めないからこそ、こうした「コストの地図」を持つことが大切です。
上がった下がったの議論ではなく、どの層が苦しいのか、どこで買い戻しが起きそうかを考えられます。
平均取得価格と実現価格の使い分け
- 短期保有者の平均取得価格:短期の支持線・抵抗線として意識されやすい
- 実現価格:中長期の「地力」を測る基準として機能しやすい
- 両方を割るか上回るか:トレンド転換の判断材料になりやすい
時価総額と実現総額の比率と調整済み支出利益率で過熱感を判定
次は、時価総額と実現総額の比率、そして調整済みの支出利益率です。
前者は市場の評価(時価)と、実際の取得コストの積み上げ(実現)を比べるイメージで、過熱・割安を大局的に測るのに使われます。上がりすぎた局面では比率が高まり、冷えた局面では低下します。
調整済みの支出利益率は、移転されたコインが利益確定なのか損切りなのか、その勢いをならして見る指標として知られています。
価格上昇中に利益確定の圧が強まりすぎると、上値が重くなりやすい。逆に損切りが一巡して落ち着くと、売りが枯れて戻りやすくなる。こうした「行動の質」を見られるのが利点です。
私はこの2つを、相場の体感温度計として使っています。
テクニカルが強気でも、オンチェーン側で過熱が見えるならポジションを軽くする。逆に恐怖が強いのに投げが減っているなら、分割で拾う。チャート一本より、判断が一段落ち着きます。
過熱感チェック用の比較表
| 指標 | 何が分かるか | 上がる時の解釈 | 下がる時の解釈 |
|---|---|---|---|
| 時価総額と実現総額の比率 | 市場評価の過熱・割安 | 過熱しやすい、利確警戒 | 冷えやすい、底打ち候補 |
| 調整済み支出利益率 | 利確・損切りの強さ | 利確優勢で上値が重い | 損切り一巡で反転余地 |
ネットワーク手数料が示す需要の本物度と2025年の注意点
オンチェーン指標というとビットコインだけを見がちですが、2025年の市場は他ネットワークの手数料動向もムードを左右しました。
特にイーサリアムの手数料は、利用需要の強弱を映しやすく、投機ではない実需が増えているのかを測るヒントになります。
手数料が上がること自体は「良い」「悪い」と単純に言えません。
利用が増えて手数料が上がるなら活況のサインですが、使いにくいほど上がると利用が逃げることもあります。重要なのは、手数料の上昇と利用の持続がセットになっているかどうかです。
ビットコイン価格はチャートだけでは読めないので、暗号資産全体の資金温度を測る補助線として、主要ネットワークの手数料を見るのは有効です。
ただし、短期の急騰急落に反応しすぎると振り回されます。私は「月単位の傾向」で眺めるくらいがちょうどいいと感じています。
手数料データを見るときの整理
- 手数料の急騰が一過性か、数週間続くか
- 利用者数や取引件数とセットで増えているか
- 手数料上昇後に利用が他へ逃げていないか
オンチェーン8指標を総合して読み解く実践手順
ここまで挙げた指標は、単体でも役立ちますが、複数の指標を総合して読み解くと強みが出ます。
ビットコイン価格はチャートだけでは読めないという前提に立つなら、価格の形に加えて、需給、投資家層の損益、コスト基準、過熱感、そして市場全体の利用状況まで一気通貫で見たいところです。
私が実際にやっている手順はシンプルです。まず上場投資信託の純流入額で大口の需給を確認し、次に保有期間別の利益損失状態の供給量で「誰が苦しいか」を見る。
そのうえで短期保有者の平均取得価格と実現価格で節目を引き、時価総額と実現総額の比率と調整済み支出利益率で過熱を点検します。最後に主要ネットワーク手数料で市場の熱量を補正します。
慣れると、テクニカル指標を増やすよりも迷いが減ります。
特に2025年のように材料が多い年は、ニュースに反応するより、オンチェーン指標で「資金が本当に動いたか」を確認するほうが再現性が高いと感じました。
8つのオンチェーン指標まとめ表
| 分類 | 指標名 | 役割 |
|---|---|---|
| 需給 | 上場投資信託の1日あたりの純流入額 | 大口資金の流入出を把握 |
| 投資家層 | 保有期間別の利益・損失状態の供給量 | どの層が利確・投げしやすいか |
| コスト | 短期保有者の平均取得価格 | 短期の節目、下回ると弱い |
| コスト | 実現価格 | 中長期の基準線、地力の目安 |
| バリュエーション | 時価総額と実現総額の比率 | 過熱・割安の大局判断 |
| 行動 | 調整済みの支出利益率 | 利確/損切りの勢い |
| 需要 | イーサリアムの手数料 | 実需と混雑、資金の熱量 |
| 補助 | 複数指標を総合して読み解く | 単体依存を避け精度を上げる |
まとめ
ビットコイン価格はチャートだけでは読めないという前提に立つと、2025年の動きは「オンチェーン指標の積み重ね」でかなり説明がつきます。
上場投資信託の1日あたりの純流入額で需給を押さえ、保有期間別の利益・損失状態の供給量で投資家層の圧力を確認し、短期保有者の平均取得価格と実現価格で節目を引く。さらに時価総額と実現総額の比率、調整済みの支出利益率で過熱感を点検し、手数料動向で市場全体の熱量を補正するのが実践的です。
チャートは必要ですが、それだけだと「理由」と「持続性」が抜け落ちます。
オンチェーン指標を併用すると、相場に振り回されにくくなり、売買の根拠を言語化しやすくなります。

